“シュタイナー的な考え方に基づいた”という言葉の意味は、
「シュタイナー教育」という“形”に子どもを合わせるのではなく、
R・シュタイナーの考え方をガイドとして、
「現代の子ども達の状態に含まれる深い意味」をさぐり、
シュタイナーが示唆した深い真理とその働きにより
目の前の子どもたちの“今”を否定することなく、
その“今”を出発点として
より広い「社会的」、「空間的」、「時間的」、「精神的」、「霊的」なつながりの世界へと
子どもたちが入って行く手伝いをすることを目的としている、ということです。

そして、私はそれこそが教育を芸術的に展開することだと理解しています。
芸術には正解はありません。
ルノワールの絵とピカソの絵とどちらが正しいのかという問いは
芸術の世界では無意味なんです。
「これが正しい芸術の形です」と提示されたものは
多くの場合、“芸術の標本”に過ぎません。
そこに“生き生きとした生命の脈動”がないものは芸術とは呼べないのです。

どんなにピカソに似ていても
どんなにセザンヌに似ていても
そこに生命が感じられないものは芸術ではないのです。