「ガキ大将クラブ」のススメ
(お母さん達よ、ガキ大将になれ!)

今、子どもたちに必要なのは立派な親でも、立派な教育者でもなく、立派な“ガキ大将”なのではないだろうか。
<どうして?>

子どもたちが事件を起こすと、立派な大人たちが色々と論評を繰り広げます。
でも、私が見た範囲では、“立派なことを言う”親や教育者、そして評論家はいっぱいいますが、本当に立派な親や、立派な教育者は少ないように思います。

実際、“立派な子ども”を期待する大人は山ほどいますが、
“立派な生き方をしている大人”はそれほどいません。


あるお母さんが言っていました。

母親は私を立派な鷹に育てようと一生懸命でした、
でも、ある時気付いてしまったのです。
私は鷹になるためにこんなに苦労しているのに
そんなお母さんは鷹にあこがれるだけの“普通のスズメ”だということに、
そして、私は鷹ではなく、“普通のスズメの子”だということに。
そして、それ以来、母親の言うことを聞かなくなりました。


立派なことばかりを言う親や教育者は目の前の子どもたちの姿を見ようとしません。
理想は語りますが、手本にはなろうとしません。

そのような大人の言葉に子どもは耳を傾けません。
子どもには真実を見抜く眼があるからです。

子どもは見栄や体裁ではなく
本気で子どもと向き合い、つき合ってくれる人を求めています。
そして、そのような人を信頼し、
そのような人の言葉に耳を傾けてくれます。
ということは、子育てでも教育でも
そのような“信頼によってつながった”人間関係の上にしか
築くことが出来ないということなのです。


見栄や体裁で固めた鎧を脱ぎ捨てて見ませんか。
そして、“ガキ大将”となって、
子どもの世界に飛び込んでみませんか。

常識的な大人は笑うかも知れません。
でも、子どもは笑いません。

立派なことばかり言っている大人にはバカにされるかも知れません。
でも、子どもはバカにしません。

すると、手に負えない“クソがき”に見えた子どもたちが
どんなにか優しく、素晴らしい心を持ち
どんなにか豊かな感性を持ち、素敵な世界を持っているのか
ということを知るでしょう。

子どもたちは
そのことを分かってくれる大人に出会うことで
その素晴らしさを失わず
素敵な大人になることができるのです。
<何から始めましょうか?>

でも、やっぱり一人でやるにはかなりの勇気が必要です。
仲間を集めましょう。
3人集まれば大丈夫です。

ただし、価値観が共通している仲間でないとあとで難しくなります。
公民館などの講座に出かけて仲間探しをすると効率的です。
価値眼が似ていて、しかも子どもが大勢いる人と知り合えたらラッキーです。
ポイントは“お話が好きな人”です。
“お話”が大好きで、
子どもにも読み聞かせなどをいっぱいやっているお母さんは協力的です。
(私の知っている範囲ではみなそうです。)



メンバーが集まったら、まずみんなの想いを話し合って下さい。
どうしてこのような活動をしたいと思っているのかを
お茶を飲みながらでもいっぱい話し合って下さい。
子育ての悩みも
学校の悩みも
そんなことを素直に話し合えるようなつながりを作って下さい。
ここが非常に大切です。
細かい内容、方法は信頼関係が生まれていれば
なんとか話し合いでまとめていくことが出来ます。

それと、提案も問題的もみんなで共有できる環境作りも大切です。
個人と個人だけで話し合っていると、話しの外の人は気分が悪くなり
協力的でなくなる恐れがあります。

「ガキ大将クラブ」では“大人の仲間作り”と“子どもの仲間作り”
が並行して進むことが理想だと考えています。

“子どもだけの仲間作り”は
子どもだけの時間、子どもだけの場所、異年齢の集団
がない現代では難しいと思います。



次にその想いを簡単な文章にまとめて下さい。
この文章は、この先新しい人に呼びかけていく時に
非常に重要になります。
この会は遊園地ではありません、
公民館の企画でもありません、
これこれの想いを持った有志の活動です。

ということを明確にして下さい。
そして、チラシの角に載せて下さい。

そうでないと、文句や要求は言うけど手伝わない人
文句も言わないけど全くお任せの人などが
多く集まってきてしまい、
幹事が保母さんのようになってしまう可能性があります。



<さあ、始めよう>

まずは自分たちの子どもとその友達だけで始めましょう。
最初から大勢には声をかけない方がよいです。
自然に増えていくというつながりが大切なんです。
ただし、できるだけ異年齢の集まりになるようにしましょう。
同年齢の子ばかりだと、有機的な人間関係が生まれにくく
遊びに多様性が生まれにくくなってしまうからです。

<どんな遊びが出来るの?>

室内でも、屋外でも
できることはいっぱいあります。
でも、私はスポーツはあまり勧めません。
やってもいいのですが、それをメインにはしない方がよいと思っています。
なぜなら、スポーツは創造的ではないからです。
創造的ではない活動の場では
子どもは、仲間や大人と偏った関わり方しかできません。
それに、創造的でない活動は目的志向型に陥りやすく
“今”を楽しむことが出来なくなります。
でも、子どもたちが育つのは“今”という時間の中だけです。

(スポーツではチームワークを大切にしますが、
チームワークを作るためには自分を制限しなければなりません。
これは10才を過ぎた子どもには意味がある活動ですが
それ以前の子どもには否定的に働きかけます。
自由な感性、思考、行動が制限されるからです。)

<具体的には?>

年齢や場所に合わせて色々あります。
でも、最初から難しいことを考えることはありません。
お母さんやお父さんが昔遊んだ遊びを想い出して伝えればいいのです。
ただし、大人が積極的に手本を示していく必要があります。
しかも、楽しそうにやることです。
そして、強制しないで見守ることです。

室内であれば、おりがみ、工作、お話、お絵描きなどが考えられます。
“でも、うちの子そういうの苦手で・・・・”
と思っているお母さんも多いと思いますが、
心配ご無用
子どもは仲間がいると変わるものです。

それとテレビやビデオは不要です。
子どもたちを退屈な状態にしておくことが必要なんです。
子どもは退屈でないと、新しいことを始めないからです。

子どもたちが退屈にしている時に、大人が楽しそうに何かやっていれば
子どもは乗ってくるもんです。

屋外であれば、鬼ごっこ、隠れんぼ、縄跳び、ゴムダンなど
森や林があるなら、色々なものを拾い集めて造形も楽しいです。

造形では大人はつい、“何を作るか”ということにこだわりますが、
子どもはただ、切ったり、貼ったりが楽しいのです。
木の板にただひたすらクギを打つだけでも子どもは楽しみます。
難しいことを考えずに、工具や素材だけを用意して、
後は子どもに任せてみてください。
もちろん大人も見ているばかりでなく参加して下さい。
大人も参加することで、
子どもは遊びのヒントを得やすくなるし、楽しくもなります。

遊びの数は無数です。
ちょっとしたきっかけがあれば
子どもは次から次へと遊びを創り出します。
大人はそのきっかけを与え、
遊びがうまく展開するように手助けしてあげるだけです。

<結果として>

結果として、子どもたちは大人から、
そして仲間から学ぶ能力を育てることができます。
これは学習能力を高めてくれます。

“規則”に縛られたチームワークではなく
“思いやり”や“喜び”によってつながった共同体を体験することができます。
これは心を育ててくれます。

自分の可能性、能力に気付き
それを伸ばすことに喜びを感じることが出来るようになります。
これは夢を育ててくれます。

子どもは大人から遊びを引く嗣ぐことで
大人とのつながりを実感することができます。
これは安心と、希望を育ててくれます。

大人が子どもに遊びを伝えようとすることで
大人は自分の子ども時代を想い出すことが出来ます。
そして、子どもの気持ちが理解しやすくなります。

大人は子どもに伝えようとすることで
自分の考え、考え方、記憶などを整理することができます。
また、どのようにしたら子どもに伝えられるのか
ということを考えることで、子ども理解が深まります。

子どもに仲間が生まれることで
親が楽になります。

そして、
大人も子どもも“自由に考え、感じ、行動する力”を育てることが出来ます。


いっぱいありますが、ここいらでやめておきます。
結果が目的になってしまう恐れがあるからです。

これを目的にしてしまうと、創造的な活動は出来なくなります。

<その他>

仲間を集めて“ガキ大将クラブ”を立ち上げてみたい人、
またすでに、似たような活動をなさっている方はご連絡下さい。
情報交換をしましょう。
ご質問下されば、私の知っている遊びやノウハウもお教えします。

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